世界初の技術として導入された「3Dホログラム」は、この2年間でその真価を発揮した。肖像の顔が回転して見える最先端の偽造防止技術は、犯罪グループに対する強力な抑止力となっている。実際、新紙幣の精巧な偽札が出回ったというニュースはほとんど聞かれない。
技術の勝利であることは間違いないが、その高度な印刷技術が皮肉にも「紙幣の製造コスト」を押し上げる要因にもなっている。通貨としての信頼性を担保するためのコストと、急速に進むデジタル通貨への移行。この二つの潮流の狭間で、日本銀行の舵取りは難しさを増している。