疑惑が加速度的に拡大した背景には、当時のネット掲示板「5ちゃんねる」や、大手ニュースサイトである「Yahoo!ニュース」のコメント欄における爆発的な拡散があった。匿名の投稿者たちが現場の写真やボランティアの投稿を精査し、勝手なプロファイリングを展開し始めたのだ。
「なぜあのボランティアはテレビ取材にばかり応じるのか」「探すフリをして遺留品を隠したのではないか」といった根拠のない推測が、まるで確定事実かのように語られていった。SNSのアルゴリズムはセンセーショナルな話題ほど拡散しやすいため、真偽の確かめられていない情報があっという間にトレンド入りした。
一度ついた疑惑のラベルを剥がすのは容易ではない。ネット上の「探偵気取り」のユーザーたちが断片的な情報をつなぎ合わせ、犯人像を捏造していくプロセスは、まさに過熱したネット社会の暗部を浮き彫りにしていた。