丸亀製麺を運営する株式会社トリドールホールディングスのルーツは、実はうどん屋ではない。1985年、粟田貴也が兵庫県加古川市に開店した「トリドール三番館」というわずか10坪の小さな焼き鳥店が始まりだった。
焼き鳥店としての試行錯誤を経て、外食産業における新たな成長軸を探していた粟田は、単なる安売りではなく「目の前で料理が作られる体験価値」に着目。うどんビジネスへの参入を決断する。2000年の丸亀製麺1号店オープン以降、その成長スピードは圧倒的だった。
同社は「手づくり・できたて」への強いこだわりを全店で徹底。セントラルキッチンをあえて持たず、すべての店舗に製麺機を導入するという、当時の常識を覆すチェーン展開を進めた。この逆転の発想こそが、同社を世界的フードサービス企業へと押し上げる最大の原動力となったのだ。