『コード・ブルー』で見せたリアリズムとは対極に位置するのが、堤幸彦監督とタッグを組んだ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』である。戸田が扮した当麻紗綾は、三角巾で腕を吊り、赤いスーツケースを引きずりながら大量の餃子を平らげるという強烈なキャラクターだった。
独特のサスペンス・ミステリーとして社会現象を巻き起こした本作だが、現場では監督の型破りな演出や突発的なアイデアが日常茶飯事だった。しかし戸田は、奇抜な言動の裏にあるIQ201の天才的な思考回路を綿密に計算。コミカルな動作とシリアスな眼光を一瞬で切り替える神がかった演技で、作品に圧倒的なリアリティをもたらした。型にはまらない演技の幅の広さは、批評家たちからも高い評価を獲得することになる。