千明と和平を取り巻く長倉家の家族たちも、本作に欠かせない極上のスパイスだった。和平の弟で、自宅兼カフェ「ながくら」を営む真平を演じた坂口憲二は、人懐っこく誰にでも優しい笑顔の裏に繊細な心の傷を抱える青年を熱演。千明との間に芽生える淡く切ない恋模様は、大人の包容力とはまた違う癒やしを物語にもたらした。
さらに強烈な存在感を放ったのが、真平の双子の姉・万理子を演じた内田有紀だ。極度の人見知りで引きこもりがちだった万理子が、破天荒でカッコいい大人の女性である千明に心を開き、やがて脚本家としての才能を開花させていく成長プロセスは多くの視聴者の胸を打った。飯島直子演じる自由奔放な長女・典子も含め、どこか不器用で愛おしい長倉家の団らん風景は、観る者すべてを「自分もこの家族の一員になりたい」と思わせる特別な引力を持っていた。