就労支援の現場を取材・観察する中で浮き彫りになるのは、「経済的な焦りから無理をしてA型を選び、短期間で体調を崩して挫折してしまう」という当事者の痛切なケースです。
「少しでも多くのお金を稼がなければならない」「B型では家族や周囲に申し訳ない」という心理的プレッシャーから背伸びをして雇用契約を結ぶと、日々の勤怠プレッシャーが過度なストレスとなり、結果として精神疾患の再発や引きこもりの長期化を招くリスクがあります。社会復帰において何よりも優先されるべきは、継続可能な心理的安全性の確保です。
最初はB型事業所で「決まった時間に外出できる」「他者と同じ空間で過ごせる」という成功体験を積み重ね、主治医や相談支援専門員と相談しながら段階的にA型や一般就労へステップアップしていく道筋こそが、最も確実で持続的な自立へのアプローチです。自分自身の現在のエネルギー量と誠実に向き合い、境界線(バウンダリー)を正しく見極める勇気が求められます。