単なるレトロブームと片付けるのは間違いだ。若者がこの言葉を選ぶ理由は、既存の若者言葉にはない「絶妙なニュアンスの隙間」を埋めてくれるからだ。
「ダサい」はあまりに直線的で味気ない。「イタい」は相手の人格を直接傷つける刃になる。対して「しゃばい」はどうか。そこには、どこかクスッと笑える間抜けさ、愛すべき不器用さが同居している。「気合いを入れたのに空回りしている」「完璧を装っているのにボロが出ている」。そんな状態を優しく茶化すのに、この言葉は最高の距離感を提供してくれるのだ。
毒がない。だからこそ使いやすい。SNSの人間関係で擦り減った若者にとって、この「角の取れたニュアンス」こそが最大の魅力なのだ。