東都大学野球が「戦国」の異名をとる最大の理由は、全日本大学野球選手権や明治神宮野球大会での圧倒的な全国制覇実績以上に、「どれほどの実績を誇る名門校であっても、1シーズンで2部へ転落する」という容赦のない昇降格システムにあります。東京六大学のように加盟校が固定されているリーグとは根本的に異なり、東都大学野球連盟では1部から4部までのピラミッド構造が敷かれ、毎シーズン終了後に壮絶な入替戦が実施されます。
東都大学野球歴代優勝校一覧を紐解くと、駒澤大学、東洋大学、亜細亜大学、中央大学、日本大学、そして近年黄金期を築く青山学院大学など、幾多の名門が頂点を極めてきました。しかし、その栄光の歴史を持つ強豪であっても、歯車が一つ狂えば即座に最下位へ転落し、2部降格の憂き目に遭っています。過去には全国優勝を果たした翌年に2部へ降格した大学も存在するほど、勢力図の変動は激しさを極めます。
現場を取材するプロスカウトや大学野球担当記者の間では、「東都の1部で勝ち点を奪うプレッシャーは、プロのペナントレースや甲子園の決勝に匹敵する」と口を揃えます。1球の失投、1つの走塁ミスが大学の命運を左右するため、全チームが初戦から総力戦で挑む環境こそが、東都大学野球を日本一過酷なリーグへと押し上げている本質です。