ネット上の言説や後年のバラエティ番組などで親衛隊が取り上げられる際、特攻服や法被という外見から「暴走族のなり損ない」「不良集団の別動隊」と同一視されるケースが散見されます。しかし、これはカルチャーの文脈を見誤った明らかな誤解です。
誤解1:親衛隊は不良やヤンキーの溜まり場だったのか?
確かに一部の隊員にヤンキーカルチャーの影響を受けた若者がいたことは事実ですが、組織の実情はむしろ「体育会系の真面目な男子学生」が大半を占めていました。前述の通り、飲酒・喫煙・校則違反に対しては即刻退隊という厳しい処分が科されていたため、素行の悪さを持ち込むことは不可能でした。むしろ、厳しい規律に耐えてでも「アイドルを一番近くで支えたい」という純粋な情熱を持った若者が集まっていたのです。
誤解2:芸能事務所から金銭や特権を得ていたのか?
「親衛隊はサクラであり、事務所から日当や良い席をもらっていた」という説も事実無根です。隊員たちは自費でレコードを買い、入場整理券を手に入れるために真冬の寒空の下で何日も前から野宿して並んでいました。法被の制作費や遠征交通費もすべてアルバイト代から捻出していました。彼らにとって無償の奉仕こそが誇りであり、事務所との癒着を嫌う独立自尊の気概を持っていました。