初期の製造工程で活用されていたパラフィンワックスは、加工が容易でリアルなツヤを再現できる反面、熱と衝撃に弱く長持ちしないという決定的な弱点を持っていた。昭和中期以降、業界はより頑丈で長持ちする合成樹脂への転換を模索することになる。
そこで登場したのが塩化ビニル樹脂である。型取り技術の進化と相まって、焼き目や質感、液体のおいしそうな表情まで精巧に表現可能となった。しかし、樹脂を柔らかく保つための添加剤が年月の経過や熱負荷によって表面へ染み出し、ホコリを固着させたり質感を損なわせたりする物理的課題は、今なお職人たちが挑み続けるテーマだ。