メガホンを取った阪元裕吾監督の足跡を振り返れば、インディーズ映画界の歴史そのものを塗り替えてきたことがわかる。『ベイビーわるきゅーれ』のスマッシュヒットで一躍脚光を浴び、不条理なスリラー『黄龍の村』で観客の度肝を抜いた俊英は、妥協なきクリエイティビティで独自のスタイルを築き上げた。
この異端の才能をいち早く見出し、メジャー配給の舞台へと押し上げたキングレコードの嗅覚も見逃せない。既存の商業映画が敷いた安全なレールをあえて外れ、荒削りな衝動と鋭利なアクションをそのまま世に放つ決断が、硬直化したシーンに強烈な風穴を開けた。