1980年代後半から1990年代初頭にかけて、彼はお笑いコンビ「TEAM 054」のメンバーとして本格的な活動を開始した。シュッとした鼻筋とつぶらな瞳、甘いマスクを備えた若き日の山崎邦正(月亭方正)は、舞台に上がるだけで客席から歓声が上がるほどのアイドル的人気を誇っていた。当時の劇場周辺には出待ちの女性ファンが殺到し、ブロマイドや関連グッズが飛ぶように売れたというエピソードも決してお大げさではない。
しかし、本人は甘いルックスだけで評価される状況に強い違和感を抱いていた。「カッコいい」とチヤホヤされることよりも、「圧倒的な爆笑を取りたい」という熱量が勝っていたのだ。ハンサムな容姿という最大の武器を自ら投げ捨ててでも、厳しいお笑い界で実力勝負したいという強い葛藤が、その後の破天荒なリアクション芸人としての覚醒につながっていく。