夫の病状が一進一退を続ける中、南場氏は2013年にベストセラーとなる著書『不格好経営―チームDeNAの挑戦』を上梓しました。そこには、外資系コンサル出身のスマートなイメージを覆す、泥にまみれて奔走した起業の生々しいリアルと失敗談がユーモアを交えて赤裸々に綴られており、起業家のバイブルとして今なお読み継がれています。
さらに同社を語る上で外せないのが、2011年末に参入したプロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」の買収と再建劇です。当初はプロ野球界へのIT企業参入に対して懐疑的な声も少なくありませんでしたが、南場氏は2015年に日本プロ野球史上初となる女性オーナーに就任し、球団経営の抜本的な改革を推進しました。
横浜スタジアムの改修やエンターテインメント性を高めたボールパーク構想、地域密着型のマーケティングを次々と成功させ、万年赤字だった球団を屈指の黒字人気球団へと生まれ変わらせました。スタンドでファンと共にメガホンを振って一喜一憂する南場氏の姿は、多くの野球ファンから「ハマの姐さん」として深く愛されています。