閉所での苦痛が単なる苦手意識なのか、それとも臨床的な支援が必要な状態なのかを判断する基準は、国際的な診断体系によって厳密に定義されている。世界保健機関 (WHO)が定める国際疾病分類(ICD-11)では、特定の対象や状況に対する病的な恐れを「恐怖症性不安障害」の枠組みで捉え、日常生活への機能障害の度合いを重視する。
また、アメリカ精神医学会が発行するDSM-5-TRにおいても、「特定の恐怖症(状況型)」としてエレベーターや閉鎖空間への反応が明記されている。ここで重要なのは、突然理由もなく発作が生じるパニック障害との鑑別だ。日本国内でも厚生労働省の各種ガイドラインに基づき、精神医学の知見を用いた正確なスクリーニングが行われており、両者が併発しているのか単独の恐怖症なのかを見極めることが治療方針を決定づける。