1973年に同じ学年でデビューし、社会現象となったのが「花の中三トリオ」(のちに高一、高二、高三トリオ)です。同じ『スター誕生!』出身でありながら、三者三様のキャリアと人生を歩みました。
トリオの中で最もミステリアスな輝きを放ち続けたのが山口百恵です。『横須賀ストーリー』『プレイバックPart2』『いい日旅立ち』など、阿木燿子・宇崎竜童コンビらによる名曲で独自の歌謡ロック路線を確立。1980年10月5日、日本武道館のステージ中央にマイクを置き、21歳という若さで芸能界を完全引退しました。
当時、マスコミが血眼になって追った山口百恵の引退理由の本質は、俳優・三浦友和との結婚に際し、「家庭に入り、ひとりの女性として夫を支え、愛する家族と穏やかに生きる」という極めて純粋で強固な人生の選択でした。引退後、数え切れないほどの巨額オファーや復帰待望論をすべて丁重に固辞し、キルト作家として作品を発表しながら現在も私生活を完全に守り抜いています。
一方、トリオの中で当初一番人気を誇り、映画や舞台で女優としても大成した桜田淳子は、1992年の合同結婚式への参加を機に活動を休止。長い沈黙を経て、近年はファンイベントや限定的なステージで往年のファンに元気な姿を見せています。そして、演歌歌手として卓越した歌唱力を見せた森昌子は、『越冬つばめ』などで確固たる地位を築いた後、結婚・出産・離婚を経て歌手復帰を果たしましたが、2019年に「還暦を迎え、残りの人生を自分らしく過ごしたい」として2度目の完全引退を発表しました。