玄武洞の名を一躍世界に知らしめたのは、京都帝国大学の地球物理学者・松山基範教授による世紀の大発見だった。1920年代、松山はこの地に広がる玄武岩の柱状節理を調査し、岩石に残された磁気の向きが現在の地球の磁場と完全に正反対であることを突き止めた。当時としては異端視されたこの仮説こそが、地球の磁石が何度も反転してきた歴史を証明する「地磁気逆転」理論の原点となったのだ。
地質学の歴史を根底から書き換えたこのドラマは、館内の特設展示でドラマチックに可視化されている。方位磁針が南を指していた時代が確かに存在したという衝撃。玄武洞ミュージアムでは、最新のグラフィックと実験展示を通じて、目に見えない地球内部のダイナミクスを直感的に理解できるよう工夫されている。地球科学の金字塔に触れる時間は、知的な興奮に満ちている。