「正直、途中でドクターストップをかけるべきかスタッフ全員で協議した」――制作現場のチーフディレクターは、緊迫した舞台裏をそう振り返る。画面越しには武井のユーモアや超人的な跳躍力が際立っていたが、カメラの電源が落ちたベースキャンプでは、酸素吸入器をつけながら荒い呼吸を整える武井の姿があった。
特に過酷だったのは、夜間の気温急降下と毒虫の猛威だ。放送尺の都合上カットされた未公開シーンでは、夜通し襲い来る虫の大群と闘いながら、現地ガイドすら悲鳴を上げる泥水を濾過して口にする武井の姿が克明に記録されていた。極限状態の中で彼が呟いたのは「テレビを見てるやつらを絶対に退屈させない」という執念の一言だったという。関係者が口を揃えて「プロ根性の極致」と称賛する真相がここにある。