思い返せば、2010年代の彼女は少女漫画原作の実写映画『L♡DK』に代表されるように、清純派ヒロインや王道ラブコメディの象徴としてスクリーンを駆け巡っていた。当時築き上げた「壁ドン」ブームやショートカットの爽やかなイメージは、広く大衆に愛された一方で、女優としての型を固めてしまう側面も否めなかった。
だが、『L♡DK』での愛らしいヒロイン像から『極悪女王』で見せた血と汗に塗れた凄絶なアクションへの変貌は、まさに皮を破るに相応しい脱皮であった。胸キュン映画のヒロインという安全なフレームワークを自ら壊し、泥臭い演技の領域へと踏み込んだことで、彼女は一過性の人気者に留まらない本物の女優としての足場を揺るぎないものにしたのだ。