バックネット裏には、日米合わせて12球団、総勢30名を超えるスカウトが集結していた。視線の先にいるのは、マウンド上で静かに呼吸を整える背番号1だ。
立ち上がりから球威は圧倒的だった。ストレートの平均球速は150キロを軽々と超え、打者の手元で手伸びするような軌道を描く。相手バッターは腰を引くのが精一杯で、バットは空を切るばかりだ。
「高校や大学の域を完全に脱している」。あるパ・リーグ球団のスカウト幹部は興奮を隠さない。「ボールの伸びだけでなく、変化球のキレ、マウンドでの立ち振る舞いを含めて、即戦力として計算できるレベルにある」と太鼓判を押す。