なぜトルコ料理が「3大」に入っているのか。日本では時折そんな疑問が囁かれるが、オスマン帝国の宮廷料理を源流とするその多様性は圧倒的だ。しかし、2026年のイスタンブールでは、伝統的なケバブやメゼ(前菜)のあり方に変化が生じている。
インフレと観光客の急増により、地元民が愛した大衆食堂「エスナフ・ロカンタス」が次々と姿を消す一方、若手シェフたちは西洋の技法を取り入れた「ニュー・アナトリアン・キュイジーヌ」で勝負をかける。伝統の味を守ることと、グローバルな評価を得ること。その狭間で、トルコの食卓はかつてない緊張感に包まれている。