番組の真骨頂は、勝利の歓喜だけでなく、敗北の瞬間に流れる沈黙をも等身大で描くことだ。試合終了のサイレンが鳴り響いた直後、整列する選手たちの表情。土を握りしめる指先の震え。ベンチへ戻る通路で、人目をはばからず肩を寄せ合って泣く3年生たち。
現地で取材を続けるキャスター陣は、マイクを強く押し付けることはしない。あえてそっと寄り添い、胸の奥底から絞り出される一言を待つ。「この仲間と野球ができてよかった」。その飾らない言葉こそが、何よりも視聴者の心に響く。勝利の陰にある無数のドラマに光を当てる姿勢は、今年も揺らぐことがない。