補色の理論が最もシビアに結果を左右するのが、美容・サロンワークや毎日のメイクアップの現場です。補色同士は混ぜ合わせると「無彩色(灰色〜黒)」に近づく性質があり、これを利用することで特定の色味を無力化できます。
サロンでのヘアカラーにおいて、前回のピンク系カラーが残留してオレンジや赤みが抜けない場合、ヘアカラーの打ち消し色として「マット(緑)」や「アッシュ(青緑)」を被せるのが鉄則です。赤みの強いピンクには青緑系、紫寄りのピンクには純緑系をセレクトして薬剤を調合することで、ブリーチで過度に髪を痛めることなく、透明感あふれるグレージュやベージュへのトーンチェンジが実現します。
また、毎日のベースメイクにおけるコントロールカラーの選び方にも全く同じ法則が働きます。ニキビ跡や小鼻の赤み、赤ら顔をカバーしたいときにグリーン下地を用いるのは、赤・ピンクの補色効果によって肌の赤みを瞬時に光学的に相殺するためです。逆に、血色感を足してくすみを飛ばしたい朝はピンクの下地が威力を発揮します。隠したい肌トラブルの色相を見極め、適切な反対色をピンポイントで仕込むことがプロ級の仕上がりへの近道です。