笑顔の真偽を科学的に解き明かしたのが、19世紀のフランスの神経解剖学者ギヨーム・デュシェンヌです。心からの喜びによって生まれる真の笑顔は、彼の名を取って「デュシェンヌスマイル」と呼ばれています。
人間の表情筋には、自分の意志で簡単に動かせる筋肉と、感情が動かないと連動しない筋肉が存在します。
口角を斜め上に引き上げる「大頬骨筋」は意識的に動かせるため、誰でも一瞬で作り笑いを浮かべることができます。一方、目の周りを囲む「眼輪筋」(特に目尻側)は不随意筋に近く、心からポジティブな感情が湧き上がらない限り収縮しません。
本物の笑顔と作り笑いを見分けるポイントは以下の通りです。
・目尻のシワと目元の変化:本物の笑顔では、眼輪筋が収縮して目尻にカラスの足跡のような細いシワが寄り、頬が上に持ち上がって目が細くなります。作り笑いでは口元だけが横に広がり、目元の形状は普段のまま変化しません。
・瞳の輝きとまばたきの頻度:感情が動くと自律神経が刺激され、瞳孔がわずかに開いて光を反射します。「目の奥が笑ってない」と言われる状態は、この微細な瞳の輝きやまぶたの緩みが欠落している状態です。
・表情筋が動くタイミング:本物の笑顔は口元と目元がほぼ同時に緩みますが、作り笑いは口元が先に動き、目元への連動が遅れるか、あるいは最後まで目元が静止したままになります。