広告デザインの観点から見ても、このポスターは極めて異質だ。通常、商業映画のポスターは分かりやすさが最優先される。しかし、本作のデザイナーは、最も重要な恐怖の象徴であるB-29を暗闇の中に「隠す」という選択をした。
この選択によって、映画を観る前と観た後で、ポスターの持つ意味が180度変わるという体験が生み出される。劇場を出た観客が再びポスターを見上げたとき、そこに写る光が何を意味するのかを理解し、背筋を凍らせる。この時間差で効いてくる心理的演出こそが、デザインにおける機能美の極みと言えるだろう。