この取り組みのユニークな点は、最新テクノロジーの導入だけではない。地域のシニア層を巻き込んだダイナミックな人的ネットワークにある。
高齢化率が40%を超える周辺地域において、かつては「地域の課題」とみなされがちだったシニア世代が、今や子どもたちの「学びのサポーター」として大活躍している。元大工の男性は木工プログラミングの技術を指導し、地元の歴史に詳しい女性は郷土史の語り部として授業に参加する。教員の負担軽減と教育の質向上を同時に達成したこの仕組みは、教育現場における長年の課題に対する鮮やかな解答と言える。
「孫のような子どもたちに教えることで、自分自身の生きがいも生まれた」と笑顔を見せる70代のボランティアの表情は明るい。学校が地域を元気にし、地域が学校を育てる。理想とされながらも実現が難しかった循環が、ここで現実のものとなっている。