当時、動画制作の現場ではどのような混乱が起きていたのでしょうか。YouTubeやニコニコ動画で活動する「ゆっくり解説」「ゆっくり実況」の制作者コミュニティからは、恐怖と憤りの声が殺到していました。
「明日から動画を非公開にしなければならないのか」「過去の動画すべてに使用料を請求されたらチャンネルを畳むしかない」といった投稿がSNSや5ちゃんねる、知恵袋などの掲示板を埋め尽くしました。多くの投稿者は中高生や副業クリエイターであり、法的な通知が届いた場合の対抗手段を持ち合わせていなかったためです。
知財を専門とする弁理士業界からも「出願代理人を務めた特許事務所の職業倫理」や「特許庁の審査官がネットスラング・サブカルチャーの慣習的名称を把握できていなかった制度的限界」に対する厳しい自己検証の声が上がりました。この騒動を機に、特許庁は公序良俗に反する出願や慣用商標の審査運用基準を厳格化する方針へと舵を切ることになりました。