呉鳳明の名を中華全土に轟かせたのは、何と言っても函谷関攻防戦で投入された巨大井闌車と巨大床弩だろう。力押しではなく、圧倒的な構造計算によって戦況を覆すその設計思想は、中華の戦争概念そのものを刷新した。力自慢の猛将たちが闊歩する戦場において、工学と兵法を融合させた彼の武功は特異でありながら極めて合理的だ。
さらに著雍の戦いでは、録嗚未や騰を相手に互角以上の防衛網を敷き、秦軍に王賁の命懸けの奇策を強いた。什虎城の攻防戦で見せた楚軍に対する変幻自在の采配、そして宿敵・秦との電撃的な共闘など、戦局全体を俯瞰する大局観は中華随一と言っても過言ではない。