栄光に満ちた五輪キャリアの裏には、選手生命を揺るがす過酷なスランプがありました。幼少期から指導を受けたコーチ陣のもとを離れ、メインコーチ不在で挑んだ2019年のフランス杯。ジャンプの失敗が続き、屈辱の8位に沈んだ宇野昌磨は、一人座るキス・アンド・クライで涙を流しました。
その暗闇から救い出したのが、スイスの指導者ステファン・ランビエールコーチでした。スイス・シャンペリーに拠点を移した宇野は、芸術性とスケーティング技術を徹底的に磨き直し、何よりも「滑る楽しさ」を取り戻していきます。
北京五輪のキス・アンド・クライで得点が表示された瞬間、感極まったランビエールコーチと抱き合って喜びを爆発させた場面は、フィギュアスケート史に残る最もエモーショナルな師弟の絆として語り継がれています。