結論から言えば、正しい表記は「グッズ」である。「グッツ」は完全な誤記に分類される。なぜここまで多くの人が日常的に混同してしまうのか。最大の理由は、語尾の清濁音(濁点があるかないか)に対する聴覚的な錯覚と、類似する他の外来語の存在だ。
英語の原語は「goods」である。単数形の「good(よい)」に複数形の「-s」が付いた構造だ。直前の音「d」が有声音(濁音)であるため、末尾の「s」も引っ張られて濁り、発音記号上は /ɡʊdz/ となる。つまり「ズ」と発音するのが原音に極めて忠実だ。一方で、「スーツ(suits)」や「パーツ(parts)」、「スポーツ(sports)」のように、語尾が「ツ」で終わる外来語は日常にあふれている。無意識のうちにこれらの言葉とパターンを同一視してしまい、「グッツ」と書いてしまう脳のショートカット現象が起きているのだ。