マムシ指の正式な医学名称は「短指症D型(Brachydactyly type D: BDD)」です。人間の親指は「末節骨(爪側)」と「基節骨(手のひら側)」の2本の骨で構成されていますが、マムシ指の場合、先端にある末節骨の成長板が通常よりも早い段階で閉鎖することにより、縦の成長が止まり横幅が強調される形になります。
世界的な臨床データや日本形成外科学会の知見を総合すると、発現率は人種や地域によって異なり、全人口の約0.4%〜4%程度と報告されています。痛みを伴うことや関節の可動域が極端に制限されることは稀で、日常生活における把持力(物を握る力)やピンチ力(指先でつまむ力)は標準的な指とほぼ同等です。
遺伝形式に関しては、優性遺伝(常染色体顕性遺伝)のパターンを取ります。親のどちらかが短指症D型である場合、理論上は約50%の確率で子どもに遺伝します。ただし「浸透率」と呼ばれる遺伝子の発現度合いには個体差があり、両親ともにマムシ指でなくても隔世遺伝のように現れるケースや、片手の親指だけに生じる左右非対称のパターンも珍しくありません。