赤西仁の影響力は、テレビ画面の中だけにとどまりませんでした。2000年代中盤の渋谷や原宿のストリート、そして全国の高校や大学のキャンパスには、赤西仁のスタイルを模倣した若者が溢れかえりました。当時の男性ファッション誌『smart』や『MEN'S NON-NO』はもちろん、ストリートスナップ誌でも彼のコーディネートやヘアスタイルは最重要トレンドとして扱われていました。
特筆すべきは、従来の中性的あるいは清潔感を重視したアイドルスタイルとは一線を画す、アメリカ西海岸のストリートカルチャーとロックテイストの融合です。腰に巻いたネルシャツ、深めに被る中折れハット、ゆるめのハーフアップヘア、スカルモチーフのアクセサリー、そしてジュエリーブランド「Janji(ジャンジ)」のネックレスなど、赤西がプライベートやメディアで身につけたアイテムは即座に完売し、プレミア価格で取引される現象が日常化していました。
当時のファッショントレンドを振り返ると、ストリート系とモード系が混ざり合う過渡期において、彼の放つ「気だるげでありながら洗練された男らしさ」は、多くの若者にとって自己表現のバイブルでした。「赤西仁になりたい」という若者たちの熱狂は、ファッション業界の経済的循環をも動かす規模に達していたのです。