歌詞を注意深く読み解くと、単なる美しいラブストーリーではないことに気づく。意中の女性は、別の男(奴)との関係に疲れ果てている。そこに付け入るように「僕」はアプローチをかける。見方によっては、非常にエゴイスティックで、危うい境界線上にいる男の歌だ。
この道徳的なグレーゾーンこそが、歌に圧倒的なリアリティを与えている。綺麗事だけでは済まない人間のエゴや、割り切れない感情。浜田省吾が描く世界には、人間の弱さがそのまま投影されている。だからこそ、聴き手は自分の隠したい傷口をそこに重ね合わせ、救われるのだ。