野辺山で培われたミリ波観測の要素技術は、やがて南米チリの標高5,000メートルに建設されたアルマ望遠鏡へと受け継がれた。国際協力によって誕生したアルマ望遠鏡の建設には、野辺山で鍛え上げられた多くの日本人技術者や研究者が深く関与している。
さらに、人類史上初となるブラックホールの直接撮影を成し遂げた国際プロジェクトイベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)においても、野辺山の存在感は極めて大きい。地球規模の超長基線電波干渉計(VLBI)ネットワークを構成する技術的知見や解析ノウハウの多くが、野辺山での長年の観測実績からフィードバックされているからだ。深宇宙の暗黒に迫る最先端研究のルーツは、間違いなくこの長野の地にある。