かつて体験版といえば、ゲームの冒頭数分間を遊んで終了する、いわば「チラ見せ」のプロモーションが主流だった。しかし、現在の任天堂が整備した環境ではその常識が根底から覆されている。何十時間も遊べる大作から、独自のミニシナリオを収録した特別仕様まで、クオリティの進化が止まらない。
この変化の背景には、拡大を続けるコンピュータゲーム産業全体の競争激化がある。全世界で圧倒的な普及率を誇るNintendo Switchだが、プレイヤーの目は年々肥えている。どれほど話題のタイトルであっても、実際に触って面白さを実感できなければ購入に至らない時代だ。定期的に配信されるWeb番組「Nintendo Direct」でも、放送直後からニンテンドーeショップで無料体験版が即座に配信開始される手法が定番化し、世界中のゲーマーを熱狂させている。