愛知県犬山市の青空の下、突如として現れる白亜の尖塔。竹田本社が運営するテーマパーク「お菓子の城(愛知県犬山市)」は、昭和から平成、そして現在へと語り継がれる奇跡の空間だ。ヨーロッパの古城を模した壮麗な建築の内部では、ドレスを身にまとった家族連れがクッキー作りに没頭し、甘い香りに包まれて笑顔を交わす。
デジタルなバーチャル体験が席巻する時代にあって、実際に生地を手でこね、焼き上げるというアナログな身体感覚。和平氏が遺した「体験を通じて人を笑顔にする」という思想が、色褪せることなく具現化されている。ただ菓子を卸して売るだけでなく、菓子の向こう側にある家族の団らんを空間ごと提供する。その先見性は、今日のコト消費ビジネスの先駆けだったと言っても過言ではない。