漫画表現において読者が最も差を実感するのが、ターゲット層による媒体別のゾーニングです。少年誌と青年誌の間には、扱うテーマの深度や描写の許容範囲において明確な少年誌と青年誌の規制差が存在します。
週刊少年ジャンプや週刊少年マガジンなどの少年誌では、読者層に小中学生が含まれることを前提としています。そのため、性被害や凄惨な暴力事件を扱う場合であっても、行為そのものを直接見せることは原則としてありません。「悪役の非道さを伝える間接的な台詞」や「事後の荒れた部屋・破れた衣服」「キャラクターの絶望した表情」など、心理描写や状況説明にとどめるのが基本的な描写基準です。
一方で、ヤングジャンプやヤングマガジン、ビッグコミックスピリッツといった青年誌では、読者の大半が成人や高校生以上であることを想定しています。青年誌に厳密な法的大人指定(18禁)はないものの、青年漫画のレーティングや住み分けとして、社会の闇や人間の残酷さを生々しく描くアプローチが許容される幅が広がります。ただし、青年誌であっても無制限に描写が許されるわけではなく、倫理委員会などの内部審査を通過したものだけが紙面に掲載されます。