自分が青春時代に浴びるように使ったフレーズは、無意識のうちに脳の基本語彙として定着する。そのため、話し手自身には「古い表現を使っている」という自覚がまったくない。これが世代間コミュニケーションに摩擦を生む最大の原因だ。
特に危険なのは、昭和や平成初期の感覚のまま放たれるオフィスでの冗談や相づちだ。「ドロンします」「わけわかめ」といったフレーズは、言った本人にとっては場を和ませる潤滑油のつもりでも、若い世代には文脈すら読み取れないノイズと化す。相手が愛想笑いを浮かべているうちに、心の距離は確実に広がっている。