「鬼の手」の真の恐怖は、その破壊力だけではない。左手の中に封印された覇鬼は常に鳴介の肉体と精神を蝕もうと機会を狙っており、それを内側から必死に食い止めているのが美奈子先生の残留思念である。つまり、ぬーべーが鬼の手の力を解放して妖怪を打倒するたび、内なる美奈子先生もまた覇鬼の猛威に耐え忍ぶという激しい消耗を強いられていた。
劇中では、時として覇鬼の強い邪念に美奈子先生の心が狂わされ、ぬーべーに対して刃を向けるような悲痛な展開も描かれた。愛する恩師と戦わなければならない苦悩、そして自分を護るために命を落とした人物を二度傷つけることへの葛藤。この二重三重の倫理的ジレンマが、バトルアクションとしての爽快感の裏に、重厚で切ないカタルシスを生み出している。