当時のニュース報道でも激しいバッシングを受けたのが、番組制作サイドの安全管理体制の甘さと演出の過激化です。『筋肉番付』は回を重ねるごとに視聴者の期待に応えるべく、各競技の難易度をエスカレートさせていました。
事故原因の調査によって浮き彫りになった問題点は主に以下の通りです。
・落下衝撃への備えの欠如:高所から逆さ吊りや頭部から落下するリスクが極めて高い競技構造でありながら、下部に設置されていた衝撃吸収マットが薄く、受け止めきれなかった。
・リハーサルと事前シミュレーションの不足:プロのアスリートではなく筋力や体格の異なる一般大学生を挑戦させるにあたり、疲労時の危険予測や落下パターンの検証が疎かになっていた。
・制作現場のプレッシャーと過密スケジュール:「よりスリリングな映像」を求めるあまり、危険性を指摘する声が制作進行の中でかき消されていた。
過去にもプロ野球選手がアキレス腱を断裂するなど複数回の負傷トラブルが起きていたにもかかわらず、抜本的な安全基準の改訂を行わずに収録を強行し続けた現場の構造的過失が、警察の捜査でも厳しく指摘されました。