映画『スタンド・バイ・ミー』のラストシーンには、「12歳のときに持ったような友達は、二度とできない」という痛烈なモノローグが登場する。私たちは無意識のうちに、思春期の濃密で純粋な関係性を友情の絶対基準として神聖視しがちだ。また、米国の名作ドラマ『フレンズ』のように、大人になっても仲間が常にカフェに集い、生活のすべてを共有する情景をNetflixなどの配信プラットフォームで繰り返し消費しては、現実の味気なさと比較してしまう。
だが、日常の物理的近接性に依存していた青春時代の友情と、自立した大人の友情は全くの別物である。大人同士の健全な繋がりとは、互いの生活圏や境界線を尊重し、数ヶ月連絡を取らなくても一瞬で元の温度に戻れるような、しなやかな信頼の上に成立する。