一人の大エースが大会を通じて一人で投げ抜く時代は終わった。登板過多を防ぐ球数制限のルールが定着した今、甲子園を勝ち抜くために不可欠なのは「質の高い投手陣のレイヤー(層の厚さ)」である。今年の横浜は、先発・中継ぎ・抑えの役割分担がプロ野球並みに洗練されている。
145キロを超える伸びのあるストレートを投げ込む本格派右腕、打者の手元で小さく変化するカットボールとチェンジアップを操る技巧派左腕、そして土壇場でのマウンド度胸に長けたアンダースロー。タイプが全く異なる4人の投手を、相手打線の相性やイニングに応じて巧みにスイッチする継投アプローチは、相手チームにとって悪夢以外の何物でもない。特定の誰かに負担を集中させないチーム設計が、過酷な長丁場を乗り切る鍵を握る。