深夜食堂の醍醐味といえば、決まりきったグランドメニューではなく、「今夜は何が食べたい?」という店主との対話から始まる料理です。都内のディープな酒場には、あえて固定メニューを置かないメニューのない居酒屋が密かに愛されています。
「あっさりした煮物が食べたい」「お腹にたまる温かい麺類を」といった曖昧なリクエストに対し、仕入れたばかりの旬野菜や家庭的な食材で見事に応えてくれる料理人たち。そこには技術だけでなく、訪れた客の表情や疲れ具合を察知するマスターの人柄と包容力が反映されています。これこそが、チェーン店では決して味わえない究極の贅沢と言えます。