衣類着脱介助でよくある誤解は、「介助者が全部やったほうが早い」という考えです。確かに時間は短くなるかもしれません。しかし、本人ができる動作まで奪うと、筋力や意欲の低下につながるおそれがあります。短期的な効率より、長期的な自立を考える必要があります。
もう一つの失敗は、服を強く引っ張ることです。袖が通りにくい、ズボンが上がらない、時間がない。そんな場面でも、力任せの介助は危険です。皮膚を傷つけたり、関節を痛めたり、転倒を招いたりします。衣服が引っかかる場合は、姿勢を変える、衣服を広げる、別の服を選ぶなど、原因を探ります。
本人の好みを確認しないことも問題です。介護者が「これでいい」と選んだ服が、本人にとっては着たくない服かもしれません。たとえ言葉で意思を伝えにくい人でも、表情やしぐさから好みを読み取れる場合があります。家族から生活歴を聞くことも役立ちます。