なぜ鹿屋体育大学は強いのか。その最大の理由は、武道界の旧態的な精神論から脱却し、データと科学的知見に基付いた合理的な稽古を確立した点にある。
同大学には、運動生理学やバイオメカニクスの最先端設備が整っている。剣道場と実験室が直結していると言っても過言ではない環境だ。例えば、剣士の踏み込み足にかかる床反力、竹刀の振幅速度、打突時の筋電図解析などを日常的に実施している。
- 打突の動作解析: わずか数ミリ秒の無駄な動作をハイスピードカメラで可視化し、最短軌道での面打ちを追及する。
- 心拍数・乳酸値の測定: 試合終盤における集中力低下を防ぐため、高強度の稽古時におけるエネルギー代謝を精密に管理する。
- コンディショニング: 専門のトレーナー陣と連携し、過度なオーバートレーニング障害を未然に防ぐピリオダイゼーション(計画的休養と強化)を導入。
根性や直感に依存しがちな「間合いの攻防」や「体捌き」を言語化・数値化する試み。これこそが、他校の追随を許さない鹿屋独自の強みである。