山本善治は、1930年代に東京で生まれた。幼少期を戦中戦後に過ごし、苦労を重ねたという。彼の原点は、何よりも「ものづくり」への情熱だった。大学では機械工学を専攻し、卒業後は中堅の製造メーカーに就職する。
しかし、彼はそこで満足しなかった。現場の技術者として働く中で、日本の製造業にはまだ大きな可能性があると確信する。特に、品質管理と生産効率の向上に強い関心を持っていた。この時期に培った知識と経験が、後の彼のビジネス哲学の基盤となる。
1960年代、山本善治は独立を決意する。わずかな資金と人脈だけを頼りに、小さな工場を立ち上げた。最初の製品は、自動車部品の精密加工だった。当時、日本の自動車産業は急成長の真っただ中。彼はその波に乗ることを選んだ。