野放しにされてきたデジタル性暴力に対し、司法と捜査機関は歴史的な転換点を迎えている。従来の法制度では、単なるコラージュ画像の作成・保持だけでは摘発が難しく、民事上の肖像権侵害訴訟を起こすにしても、発信者情報開示請求の手続きに膨大な時間と費用がかかるという高い壁が存在していた。
しかし現在、法改正と判例の積み重ねによって状況は劇的に変化した。AIを用いた偽造コンテンツの頒布や公然の陳列に対して、名誉毀損罪や侮辱罪、さらには電磁的記録不正作出の観点からの刑事告訴が現実的な対抗手段として定着しつつある。警視庁サイバー犯罪対策課は、悪質な海外ホスティングサーバーを経由した生成・投稿者に対しても国際捜査共助を活用した追跡を強化。民事裁判においても、人格権侵害に基づく損害賠償額の大幅な引き上げが認められるケースが相次いでおり、「匿名掲示板の裏側に隠れれば逃げ切れる」という加害者側の認識は完全に通用しなくなっている。