多くの失恋歌が存在するなかで、本作が唯一無二の切実さを宿す最大の起点は、そのタイトル設計にあります。一般的に1年は365日。恋人を想う楽曲であれば「365日いつでも愛している」とするのが常道ですが、仲宗根泉が提示したのはカレンダーに収まりきらない366日という数字でした。
当時のインタビューや特番ドキュメンタリーで仲宗根自身が語った証言によると、このタイトルには「春夏秋冬、365日どんな瞬間もあなたのことを想い続けている。それでもなお想い足りない。もし4年に一度だけ訪れるうるう年(366日)があるのなら、その余った1日すらもすべてあなたへの想いで埋め尽くしたい」という切なすぎる願いが込められています。
「想うのをやめられない時間」の総量が、物理的な1年の限界を突破して溢れ出してしまっている状態。このわずか1日の超過に、失恋によって行き場を失った感情の飽和と、断ち切ることのできない狂おしい執着が凝縮されているのです。