大阪・福島の「ラ・ピッツァ・ナポレターナ・レガロ」に一度足を踏み入れた人々が、なぜ一様に「他のピッツァとは別次元」と口を揃えるのか。その核心は、オーナーピッツァ職人である新谷亮人(しんたに あきと)氏が到達した、生地に対する異常なまでの探求と熱量にあります。
新谷氏は本場イタリア・ナポリの名門「イル・ピッツァイオーロ・デル・プレジデンテ」などで本流の技法を徹底的に身体へ叩き込みました。そして2010年、ナポリで開催された伝統ある「第9回 カプート杯 世界ナポリピッツァ職人世界選手権(Campionato Mondiale del Pizzaiuolo)」において、EUの伝統的特産品保証規格に厳格に基づくS.T.G.(マエストロ)部門で見事世界一(優勝)の座に輝きました。本場のイタリア人審査員たちが「ナポリの魂を完璧に体現している」と唸った技術力こそが、この店の揺るぎない屋台骨です。
レガロのピッツァが他店と決定的に一線を画すパラメータは、以下の3点に集約されます。
- 小麦の限界を引き出す長時間熟成と加水調整:気温や湿度の日内変動を職人の指先で見極め、酵母の呼吸、熟成時間を微細にチューニング。水分の抱き込み方を極限まで高めています。
- ステファノ・フェッラーラ社製薪窯の蓄熱コントロール:ナポリから直輸入された薪窯内部は約450度〜480度の超高温。投入する薪の太さや炎のあて方を秒単位で操り、投入からわずか60秒〜90秒という電光石火のスピードで焼き上げます。
- 「空気」を食べる未体験のテクスチャー:焼き上がりのコルニチョーネ(縁)はサクッと香ばしく、気泡膜は驚くほど薄く伸び、内部はみずみずしくモチモチ。1枚が直径30cm前後の堂々たるフルサイズでありながら、胃もたれとは無縁の圧倒的な軽さを生み出しています。
大阪市内で数あるイタリアンの中でも、ミシュラン・ビブグルマンに連続選出されている理由は、単なる知名度ではありません。皿の上が冷める前に完食へ導く「口溶けの設計」が、完璧な再現性で成立している点にあります。