歌詞の核を成すのは、ふるさと・高知への万感の思いだ。「南国土佐を後にして 都へ来てから幾年月」という冒頭のフレーズから、住み慣れた南国の暖かな陽光を離れ、慣れない都会で月日を重ねる主人公の孤独が静かに立ち上る。
特筆すべきは、曲中に挿入される土佐民謡「よさこい節」のフレーズである。「土佐の高知の播磨屋橋で 坊さん簪買うを見た」という誰もが知る一節が挟み込まれることで、情景は一気に鮮やかさを増す。桂浜の波音や、南国特有の青い空と緑の山々が、聴き手の脳裏に鮮明に浮かび上がる構造だ。
1番から3番にかけて紡がれる言葉は、単なる地方の美しい描写にとどまらない。都暮らしの寒々しさとの対比、そしていつの日か故郷へ帰るのだという一筋の希望。シンプルでありながら極限まで削ぎ落とされた言葉の連なりが、時代を問わない普遍的な郷愁を生み出している。