日本のポップカルチャーにおいて、このブランドを語る上で避けて通れないのが矢沢あいの名作漫画および映画作品『NANA』の影響力だ。作中で主人公の大崎ナナが身に纏うアーマーリングやオーブロゴ(ORB Iconography)のアクセサリーは、2000年代初頭のユースカルチャーを席巻し、今や国境を越えてZ世代からミレニアル世代までをも巻き込む普遍的なアイコンとなった。
1970年代のロンドンで産声をあげたパンク・ファッション(Punk Fashion)の遺伝子は、漫画のコマ割りや映画のスクリーンを通じて東京の路上へ移植された。王権の象徴であるオーブに天体のリングを配したロゴマークは、単なるブランドの記号ではない。それは既存の体制に抗い、自分だけの孤独と誇りを抱えて生きる者たちの誓約なのだ。胸元に小さく刺繍されたオーブ一つで、無地のシャツがたちまち反骨のステートメントへと変貌する。